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停電

停電とネット障害でスマートホームはどこまで止まる:復旧の順番と、止まっても困らない作り方

公開 2026-10-26読了 6 分

Photo: Jakub Zerdzicki / Pexels

この記事でわかること
停電とネット障害では止まる範囲が違います。電池で動く機器・コンセントの機器・クラウド頼みの機能に分けて整理し、復旧の順番と、止まっても困らない作り方をまとめました。

結論から書きます。停電とネット障害では、止まる範囲が違います。

  • 停電:ハブ・Wi-Fi ルーター・スマートスピーカーなど、コンセントで動くものが全部止まります。電池で動くセンサーやロックは動き続けますが、通知は外に届きません
  • ネット障害(電気は来ている):外出先からの操作、声での操作、クラウドで動くオートメーションが止まりやすくなります。スマホを機器の近くに持っていけば、Bluetooth で直接動かせるものは残ります
  • 備えの基本:物理的なスイッチ・リモコン・鍵を「捨てない」こと。スマートホームは止まっても元の操作に戻れる作りにしておくのが一番の対策です

停電したとき、止まるもの・動くもの

停電で止まるのは「コンセントから電気をもらっているもの」です。

機器停電中補足
Wi-Fi ルーター・ONU止まる家の中のネットが全部なくなる
SwitchBot ハブ・スマートスピーカー止まる赤外線の家電操作もできない
スマートプラグ・スマート電球止まるつないだ家電ごと止まる
温湿度計・開閉センサー・人感センサー動く電池式。ただしハブ経由の通知は届かない
スマートロック・キーパッド動く電池式。スマホの Bluetooth やキーパッドで操作できる

見落としやすいのはセンサーが動いていても、通知は届かない点です。センサーの情報はハブとルーターを通ってスマホに届くので、そのどちらかが止まれば外からは何も分かりません。

スマートロックは電池で動くため、停電中も玄関の前でスマホの Bluetooth やキーパッドから操作できるとされています。ただ、ロックの電池切れやスマホの電池切れが重なることもあるので、物理キーは必ず持ち歩くことをおすすめします。ロックの機種ごとの解錠方法は賃貸の後付けスマートロック3機種比較にまとめています。

ネットだけ切れたとき、止まるもの・動くもの

電気は来ているのにネットだけ切れた場合や、メーカー側のサーバーに障害が起きた場合は、次のように分かれます。

止まりやすいもの

  • 外出先からのアプリ操作:外から家の機器に届く道がなくなります
  • Alexa・Google アシスタントの音声操作:声の聞き取りはクラウドで処理されるため、ネットが切れると基本的に使えないとされています
  • クラウドで判定するオートメーション:条件の判定をサーバーで行うタイプは動かなくなります

残りやすいもの

  • Bluetooth で直接つなぐ操作:ボットやロックなどは、スマホを近くに持っていけばアプリから直接動かせます
  • ハブのローカル操作:SwitchBot ハブ2 では、アプリで「ローカル操作」を有効にしておくと、サーバー障害のときも家の中のスマホから家電を操作できたと報じられています。お使いのハブで同じ設定ができるかは、アプリの設定画面で確認してください
  • Matter の機器:Matter は家の中のネットワークでつながる仕組みで、クラウドを通さずに操作できるとされています。ただし、声で操作する場合は結局ネットが必要になります

自宅のオートメーションが「ハブの中で動いているのか、クラウドで動いているのか」は外から分かりにくいので、普段からオートメーションが動かないときの確認方法を知っておくと慌てずに済みます。SwitchBot のオートメーションが動かないときの確認順も参考にしてください。

復旧の順番:ルーター → ハブ → アプリ → 家電の状態

電気やネットが戻ったら、次の順で確認すると早く元に戻ります。

  1. ルーター(と ONU)が起動しきるのを待つ ランプが通常の状態に戻るまで数分かかることがあります。先にハブを触っても、ネットがまだなければつながりません
  2. ハブがオンラインに戻ったかアプリで確認する 多くの場合は自動でつながり直しますが、オフラインのままならハブの電源を抜き差しします。それでも戻らないときは SwitchBot が Wi-Fi に繋がらないときの確認を見てください
  3. オートメーションとスケジュールが有効のままか確認する 停電中に予定していた時刻のオートメーションは、あとからまとめて動くわけではありません。「朝7時にエアコン ON」が停電中だったなら、その日は手で操作が必要です
  4. エアコンなど赤外線家電の状態を合わせる 赤外線は家電に信号を送るだけの一方通行なので、アプリの表示と実際の運転状態がずれることがあります。また、エアコンは停電から戻っても自動で運転を再開しない機種が多いとされています。実物とアプリの表示を一度そろえておきましょう

止まっても困らない作り方

停電もネット障害も、自分では防げません。だから「止まったときに元の操作へ戻れるか」を基準に作るのが現実的です。

  • 壁スイッチ・リモコン・物理キーを残す:スマート電球を入れても壁スイッチは使える状態に、エアコンのリモコンは決まった場所に置いておきます
  • 命に関わる操作をスマートホームだけに任せない:暖房や冷房の自動 ON は便利ですが、止まっても誰かが気づける仕組みと組み合わせます
  • ルーターとハブの電源を確保する:短い停電なら、ルーターとハブだけでも動かせれば通知が止まりません。ルーターは AC アダプターで動くものが多いので、使うなら小型のポータブル電源や UPS(無停電電源装置)が候補です。ハブが USB 給電なら、モバイルバッテリーでつなぐ方法もあります。ただし私はこの構成で長時間の停電を試したわけではないので、容量は機器の消費電力から計算してください

実家の見守りでは「通知が来ない」を異常と考える

離れた実家の見守りでいちばん怖いのは、停電やネット障害で通知が止まっているのに、「何も起きていない」と勘違いすることです。センサーの通知は、何かあったときにしか来ないものが多いからです。

対策としては、次のような運用が考えられます。

  • 毎日決まった時刻に温湿度のグラフを家族の誰かが見る:グラフが途切れていれば、停電かネット障害が起きていると分かります
  • 機器がオフラインになったら知らせる機能があれば使う:アプリや連携サービスによっては設定できます
  • 電話で確認する手段を残す:最後は人の声がいちばん確実です

ネット回線のない実家で格安 SIM のルーターを使う構成はネット回線のない実家を見守るで紹介しています。この場合もルーターはコンセント頼みなので、停電には同じように弱い点に注意してください。

まとめ

  • 停電ではコンセントの機器が全部止まる。電池式のセンサーやロックは動くが、通知は届かない
  • ネット障害では外出先からの操作・声の操作・クラウドのオートメーションが止まる。Bluetooth 直結やローカル操作は残りやすい
  • 復旧はルーター → ハブ → オートメーション → 赤外線家電の状態の順に確認する
  • 壁スイッチ・リモコン・物理キーは残し、止まっても元の操作に戻れる作りにする
  • 見守りでは「通知が来ない」を安心と考えず、グラフの途切れや電話で確認する
編集人(本業: IT) 賃貸で暮らしながら、工事なしでできる範囲を試しています。使わなくなったものも書きます。